音声誤送信事件とは
Amazonについては、日本でも色々なニュースが伝えられています。
その内容は概ねポジティブなものですが、時にはネガティブなニュースが届けられることもあります。
最近で最もショッキングだったのは、やはりスマートスピーカーの音声誤送事件ではないでしょうか。
この事件はユーザーはもちろんですが、同種の商品を作っているメーカーにも大きな衝撃を与えました。
ここでは、そんなスマートスピーカー音声誤送信事件について取り上げていきたいと思います。
事件の概要
この事件は日本でも大きく注目されたニュースなので既にご存じの方も多いとは思いますが、ここでは改めて事件の概要に触れていきたいと思います。
事件の舞台となったのは、Amazonが本社を構えるアメリカ合衆国です。
被害に遭ったのは同国在住のダニエル夫妻で、夫妻はスマートスピーカー「Amazon Echo」を所持しており、これを事件の当日も普段通り使用していました。
このAmazon Echoには、音声アシスタントAIの「Amazon Alexa」が搭載されており、使用者の発した言葉を録音したり友人・知人に送信したりすることができます。
Amazon Echoのこうした機能自体は全く問題ないのですが、この機能が事件を起こす一つの要因になってしまいました。
なんと、ダニエル夫妻の行った会話が録音されたデータがAmazon Alexaによって勝手に送信されてしまったのです。
通常であれば、録音データの送信は使用者の意思によって決められることですが、この事件ではAIが勝手に判断をして送信されてしまいました。
さらに問題なのは、夫妻は会話が録音されているということも知らなかったということです。
つまり、使用者が知らない内に会話の録音とデータの送信が行われていたのです。
では、何故勝手に録音・送信していることが分かったのかと言うと、たまたま夫の部下に録音データが送られていたからだそうです。
そして、この部下から連絡を受けたダニエル夫妻がAmazonに問い合わせたところ、送受信ログの調査結果とダニエル夫妻の報告が一致していることが分かり、誤送信が確認されました。
これが、スマートスピーカー音声誤送信事件の概要です。
ちなみに、この事件の被害者となったダニエル夫妻は、所持していたAmazon Alexa4台の払い戻しを求めたそうです。
Amazonの対応
この事件が発生したことを受けて、Amazonはダニエル夫妻に謝罪を行うとともに、以下のようなメッセージを発表しています。
「Amazonはプライバシーについてとても深刻に受け止めています。私たちは何が起こったのかを調査した結果、極めて稀な出来事だったことを確認しました。
将来、同じことが起こるのを避けるように対処しています」
またAmazonは、再発防止に努めるともしています。
この事件の教訓
スマートスピーカー音声誤送信事件は同商品のユーザーを始め、様々な方面に衝撃をもたらしました。
この事件の教訓は何と言っても、スマートスピーカーを必要な時以外に起動させないことです。
Amazon側の見解としては、Amazon Echoはユーザーからの指示がない限りは音声の録音を行わないことになっているが、今回の事件はこの説明を反証することになりました。
ですから、不要な時はスマートスピーカーを起動させないということが非常に重要になります。
また、そもそもの問題として、音声データを常時記憶することはハッキングなどの被害に遭う可能性があるということを意味しています。
つまり、誤送信が起きても起きなくても、プライバシーを侵害される恐れは0ではないのです。